2022/03/14
先日、NHKの『チョイス@病気になったとき』で慢性痛が取り上げられてしました。
その中で鍼灸をチョイスされた方が紹介されていました。
https://www.nhk.jp/p/kenko-choice/ts/7JKJ2P6JVQ/episode/te/LR4Y76J96Q/
慢性痛とは「ケガや病気が完治した後も3ヶ月以上痛みが続く場合」と定義されていますが、「特定の原因がないのに続く痛み」も慢性痛です。
痛みが続くため病院に行って色々と検査を受けたのに原因が見つからなかったという方は多いのではないでしょうか?
また、痛み止めが効かないことも慢性痛の特徴です。
番組で取り上げられていた方は70代の男性で、原因不明の全身の痛みで悩まれていました。
色々な病院に行っても原因がわからず、出演されていたDr.の勧めで鍼灸を受けてみることにされたようです。
お腹の調子も悪く、便秘と下痢を繰り返されていたそうで、痛いところだけではなく、お腹の調子も整えるような鍼をされたようです。
週1回で4~5回目から便秘が解消されてくると、痛みも軽減されたそうです。
痛みが軽くなったので、公園までウォーキングをして、公園でストレッチや体操がでいるようになり、更に痛みが軽減されていました。
すべての方が便秘が解消されれば痛みがなくなるということではもちろんありません。
ポイントは、痛い場所に原因がないこともあるということです。
この方の場合には、便秘をはじめとするお身体の不調がストレスとなり、痛みを引き起こしていたと考えられます。
体調がよくなると痛みの負のスパイラルから抜け出せる可能性は大いにあります。
特に慢性痛はそのような場合が多く、西洋医学の苦手なところです。
番組ではこのような慢性痛になぜ鍼で効果があるのかは解明されていないと言われていましたが、少しずつ色々なことがわかってきてはいます。
当サロンでは痛みの部位だけに鍼をするという方針ではなく、東洋医学的に痛みの原因を考えて全身を整えるような治療をさせていただいていますが、西洋医学の治療方法や痛みの考え方も勉強しておきたいと思い、2021年10月より痛みに特化した勉強をさせていただいています。
2021年12月には日本疼痛学会にも参加させていただきました。
基本的にはDr.の学会ですが、鍼灸のセッションもあったため参加させていただきました。
痛みに関して新たなことがどんどんわかってきていて、鍼灸も治療の選択肢の1つだと確信しています。
もう1つ、慢性痛の治療で大切なことは、考え方・捉え方を変えるということです。
痛みがあるとどうしても安静にしていた方がいいのかなと思ってしまい、痛いから何もできないという考えになりやすいです。
でも、慢性痛の方は骨折などのような明らかな異常はない訳なので、実は安静にしておく必要はなく、むしろ動いて意識を別のところに持っていくこともとても大切です。
また、運動することで痛みを和らげる脳内物質が分泌されます。
痛いからできないではなく、痛くてもできることを少しずつ増やしていくことで、不安が減り、痛みが和らいでいくのです。
病院ではなかなかしっかりとお話を聞いてもらえる時間がないと思いますが、鍼灸院ではしっかりとお話を聞いてもらえるところも多いですよ。
もちろん、治療院によって得意不得意がありますし、方針が違いますので、まずはお問合せされてみてはと思います。
痛みが長引くと、神経が過敏になってしまったり、脳が痛みを記憶してしまったりして、どんどん治りにくくなってしまいます。
病院に行っても原因が見つからない痛みで悩まれている方は、お早めにお近くの鍼灸院をお尋ねください。