2021/02/16
『風邪』という言葉は東洋医学の言葉です。
”ふうじゃ”と読みます。
風(ふう)という邪気が身体の中に侵入することでおこる病のことを指します。
風は体の表面から侵入するとされますが、体の表面は「衛気」という気が巡っていて、「衛気」がしっかり働いていると『風邪』の侵入を防いでくれます。
「衛気」の「衛」には守るという意味があります。
体を守ってくれる気です。
現代的に言うと、みなさんが嫌がる「角質」が体の中に不要なものが入ってこないようにバリアの役割をしています。
それから皮膚表面に存在する「常在菌」たちが病原菌をやっつけてくれています。
『風邪』を引きやすい方(インフルエンザやコロナも含む)は、ウイルスを誰かにうつされたことだけが原因ではなく、「衛気」がしっかり働いていない原因も考える必要があります。
「衛気」を作るのは【脾】いわゆる胃腸の働きです。
「衛気」を巡らせるのは【肺】の働きです。
『風邪』がまだ体の表面に近いところまでしか侵入していない時、ちょっと寒気がするな程度の時は、まだ症状が軽く、鍼灸や漢方ですぐによくなります。
ただ、なかなかこの状況で鍼灸院に来られる方はいません。
たまたま来られた時に、今朝からちょっと寒気がするんです、喉がイガイガするんですということは時々ありますが、翌日にはよくなったと言われることが多いです。
この時にお越しいただくとすぐよくなるんですけどね。
ここから、喉が痛い、咳や鼻水が出るという”症状”が出てくると、『風邪』はもう少し深いところまで侵入しています。
こうなるとなかなか鍼灸や漢方の効果が発揮できなくなりますし、風邪薬も効きにくくなってきます。
寒気がするなから症状が出るまでは、早い方では数時間、遅くても1日2日ととても速いです。
鍼灸院に来れない場合には、寒気がするな、ちょっとおかしなという時点で早めに薬を飲んで早く寝てもらうとよいと思います。
体力をつけるためにしっかり食べようなんてことは考えない方がよくて、消化のよいものを少しだけ食べるようにしてくださいね。
消化に使う体力を、体を回復させるために使うのです。
人間以外の動物たちはみんなこのことを知っています。
熱が出ると更に奥まで、食欲がないとなるともっともっと奥まで『風邪』が入り込んでしまい、治りにくくなってしまいます。
ので、早めの対処が大切です。
が、コロナウイルスの流行で、コロナだと迷惑をかけるのでキャンセルしますとご連絡いただくことが多くなってしまいました。
とても残念です。
それから、『風邪』を引いて長引いたり、後に何か症状が残ったりする原因の1つが解熱鎮痛剤です。
本来、熱が出ることは悪いことではなく、体温を上げてウイルスと戦っているのです。
戦うことにより免疫力が上がるのです。
そして熱を下げるために汗をかき、汗と一緒に熱を体の外に発散させるのです。
これを解熱鎮痛剤を使用して体温だけ下げてしまうと、ウイルスと戦うことも、熱を体の外に発散させることもできず、長引いたり、症状が残ったりしてしまうのです。
もちろん、40度以上の高熱が出た場合には、脳などへの影響を考慮し、早く解熱する必要があるとは思いますが、基本的には体温だけ下げるという行為が様々な弊害を生んでいることは間違いありません。
コロナに関しても、解熱鎮痛剤を服用した方が重症化しているという話がありますが、あながち間違いではないのではないかと感じています。
『風邪』は誰でも引いたことがあると思いますが、今更『風邪』について書こうと思ったのは、この基本的なことを知っておくことで、コロナにも応用できると思うからです。
コロナは『風邪』と同じとか軽々しく言わないでという方もいらっしゃいますが、もっともっと根本的なところを知って、それを応用するということは大切だと思います。
確かにコロナは『風邪』とは少し違います。
でも、後遺症が残るのはコロナだけではありません。
『風邪』の後に咳だけが残り、咳喘息と診断された方は割と多いのではないでしょうか?
年のせいですなんて言われませんでしたか?
インフルエンザで嗅覚障害が残った方の治療をさせていただいたこともあります。
今までもあったんですよ。
話題になっていないだけです。
全ての基本は
・食事
・睡眠
・運動
です。
食べたものから「衛気」をつくり、運動して「衛気」を巡らせます。
体は寝ている間にしか修復できません。
体に悪いものを食べたいだけ食べて、運動せずゴロゴロして夜更かしをしていて健康のなれることはないのです。
手洗い・うがい・マスク・薬・ワクチンではなく、ご自身の身体を整えて、健幸を手に入れませんか?
たかが『風邪』、されど『風邪』、『風邪』は万病のもと、間違いないです。